勤続15年の記念品 バンビ〜ノなべを貰う [日常のなかで]
古民家に寛ぐ つくばの蕎麦3 みずほ村市場 蕎舎 [茨城の蕎麦]
悪魔の誘惑か メタポ一直線 メタポリタン・チーズケーキを作る [甘味]
香り高い蕎麦と強い汁 鎌倉の蕎麦 手打ち蕎麦 鎌倉一茶庵 [神奈川の蕎麦]
鎌倉まで紫陽花を見に来た帰り、鶴岡八幡宮前の鎌倉一茶庵に寄る。
駐車場も満杯、中に入れば既に満員だ。少々待たされる。店内は広いが席数も多い、従って圧迫感を感じるほどに窮屈だ。
ようやく席が空く。お茶は出てこない、水のみだ。せいろ、田舎、十割とありどれにするか迷う。が、やはり十割で決まりだ。1100円で大盛りは315円増し。若干価格は高めだ。観光地だからしょうがないか。
薬味と汁が出てきた。薬味は葱、辛味大根、それに山葵だ。山葵の香りは十分にあり辛味も多すぎない。大根も美味しい。蕎麦を待つ間、汁を味見した。
随分しっかりした汁だ。辛味、酸味、甘み、どれかが吐出しているわけではない。が、結構濃く、旨味もある。味を確認するためになめ、少し飲む。確かに濃すぎることはなく、そのままでも飲むことができる程度に濃い。昔はこのような汁が好きだったのだが、最近は辛く感じる。もうちょっと軽やかなほうが好みだ。歳だろうか。
蕎麦が来たが・・・・・量が少ない。極細打ちで、表面は艶やかだ。観光地、しかも古都ゆえに客層は年輩者が多いためもあって量が少ないのかも。普通盛は悲しいぐらいに寂しい盛だった。
啜る。蕎麦の香りが口中に広がる。ここまで細打ちなのに蕎麦の香りが立っている。残念なのは器だ。プラスチック、悲しくなる。 観光地で諸経費が高く、客数も多いからプラスチックなのだろう。理解できるが味気ない。
汁を浸けて啜る。蕎麦の香りが鼻に抜け、汁の旨味が舌を喜ばせる。その旨味はだんだん蕎麦の甘みに変わってゆく。ここまで細いのにここまで香りがあるとは。さすが足利一茶の系統だ。
蕎麦湯はサッパリとして口直しに最適なタイプだった。
極細打ちでも香りが高く、美味しかったのだが器には興ざめだ。しかも蕎麦の量が少なめだ。また観光地ゆえに座席数が多く、隣との間隔が狭い。それ故ゆっくり寛げないのも残念だ。それに蕎麦茶も欲しい。
鎌倉一茶庵
℡0467-22-3556
神奈川県鎌倉市雪ノ下1-8-24
北鎌倉の紫陽花を楽しむ3 東慶寺 [日常のなかで]
明月院を出た頃には雨は既に止み、雲の切れ間から青空ものぞいている。気温湿度ともにあがり、粘度が高くなった空気が体にまとわりつく。腕を振り、足を進ませるごとに空気の抵抗を感じる。梅雨らしい梅雨だ。しかし今年の梅雨は例年より気温、湿度が高いような気がする。東慶寺まで粘度の高い空気の海を泳ぐように歩いた。
ここにも理の花がある。思わず平家物語の一説を口ずさむ。
白い紫陽花が綺麗だ。清楚な白が目に眩しい。
見事に純白の紫陽花。品格さえ感じる。
雨上がりの紫陽花は艶やかで、東慶寺の紫陽花も見事だ。ただ、紫陽花の絶対量は明月院に比べれば少ない。
境内の紫陽花も綺麗だ。明月院のような一面の紫陽花ではないが、他との調和が取れている。(明月院の紫陽花は他との調和は無く、全てが紫陽花だ)
苔蒸した風合いが見事だ。
境内中ほどには菖蒲園がある。
なかなか綺麗だ。この菖蒲園を愛でながら茶が飲めるよう、茶屋があるが、残念だが先ほど飲んだばかりだ。今回は諦めよう。菖蒲園の周囲にもいろいろな草花がある。
つい指先ではじきたくなるような愛らしさ。
奥までゆくと緑が眩しい空間になる。緑が綺麗なのは良いが、視線を下にすると・・・周りは墓石。怖がりだから、あまり長居はしたくない。戻ろう。
もう一度紫陽花を愛でる。葉の上の水滴が涼しげだ。見るだけで清涼な風が吹き抜けるようだ。
名はわからないが、素晴らしい香りだった。透明感のある白い花びらも素敵だ。
いい加減、腹も減った。せっかく鎌倉に来たのだ、蕎麦を食べて帰ろう。十割蕎麦を。さらに気温が上昇した鎌倉を北鎌倉から鶴岡八幡宮方向へ歩く。歩くたびに毛穴から汗が吹き出る。皮膚の上で水滴となっている。紫陽花の葉の上の水滴は涼しげだったが、腕の表面の水滴は暑さが増す。
北鎌倉の紫陽花を楽しむ2 明月院 [日常のなかで]
北鎌倉の紫陽花を楽しむ 明月院 [日常のなかで]
蒸し暑い日は寒天が食べたくなって・・・抹茶クリームあんみつを作ろう [甘味]
香り高い蕎麦と名脇役の汁 砺波の蕎麦 手打ち蕎麦 福助 [富山の蕎麦]
村おこしの蕎麦 富山の蕎麦3 山田清水 雉蕎麦 そば峠 [富山の蕎麦]
再び富山へ出張。砺波にある客先に行く前に腹ごしらえだ。今回は富山市と砺波市の間にある山田清水にいってみよう。ここに気にある蕎麦屋があるのだ。レンタカーのカーナビをセットして出発!
359を走る。山田方向へ曲がろう。おや?カーナビはまだ真っ直ぐを指している。もうしばらく行くとようやく左折指示だ。これは農道では?舗装のしてあるあぜ道といった面持ちの道を進む。両脇の田の稲が綺麗だ。山に入る前から曲がりくねってバイクで走りたくなるような道だ。なかなかマニアックな道を案内するカーナビだな。
先週とは打って変わって梅雨空の下、蛙の声を聞きながら田の間を駆け抜ける。レンタカーで借りたデミオ、なかなかご機嫌な車だ。意外と良い反応をしてくれる。
いくつもの峠を上って降りて、ようやく到着した。看板には雉蕎麦と書いてある、
山の中で静かだ。鳥の声のみが聞こえる。雰囲気は最高だ。
看板の手前にあった小屋。”こな太郎”と名札が。どうやら水車で蕎麦を挽いているようだ。中を見ると石臼が回っている。
店に入ろう。11時開店で11時20分に到着した。すでに数組のお客さんがいる。
品書きを確認。雉蕎麦が名物らしいが、最初の訪問である。評価のため普通に盛をたのもう、。盛700円、大盛りで900円か。ふと、壁に目を向けるとホワイトボードに”十割蕎麦”の文字。しかも10食のみと書いてある。十割蕎麦を大盛りで頼む。
雉蕎麦は温かい汁に浸けて食すとのこと。鴨が雉になった感じになるのか?まぁ、今度試そう。
茶はほうじ茶。この店の壁には色紙がいろいろ貼ってある。(知らない人ばかりだったが)その横に新聞の切り抜きもあり、この店の紹介があった。山田清水の村おこしの店らしい。地元のお母さん達の店とヘッドラインにあった。
蕎麦がきた。細いが細すぎない。丁度好みぐらいの太さだ。粉は粗挽きではないが表面には透明感はなく、上品な表面の蕎麦ではない。昔から農家で打たれてきた蕎麦なのだろうか。
蕎麦のみを啜ってみる。美味い!香りが素晴らしい。お母さん達、美味いよこれ!啜った瞬間から香りが鼻に抜け、咀嚼すると蕎麦の甘みが広がる。下手な蕎麦屋なんか目じゃない。これで汁も美味しかったら最高だな。汁を確認する。口に含むと・・・・冷たい!キンキンに冷やしてある。ダシの香りが多く感じる。甘みが強いか、しかし冷えすぎていて甘みがよくわからなくなっている。コクは少なめか。甘みでコクを出しているようだ。キンキンに冷えていなかったら甘みが口に残りそうだ。塩気は強くない。酸味は全体を軽く引き締める程度にある。
蕎麦を汁に浸け啜る。これはこれでOKだ。汁と蕎麦は仲良く引き立てあっている。特別美味い汁とはいえないが、問題ない部類ではある。
薬味、山葵の香りは素晴らしい香りとはいえない。(まあ、期待していなかったが)しかし、入店時に想像していたより上質の山葵だ。香りはあるし、辛味も丁度良い。
蕎麦を注文する際、ホワイトボードにあった二品が気になった。蕎麦豆腐(200円)と蕎麦ムース(250円)。今回は蕎麦豆腐を試すことにした。いずれにしても随分とリーズナブルだ。
山葵が乗り、たれが器に入っている。表面は蕎麦粉の粒粒がよく感じられて美味そうだ。
食べてみる。これも美味い!ねっとりとした食感と、喉越しの冷たさ。蕎麦の香りもいい感じだ。たれを浸ける必要はなく、いや、何も浸けないほうが美味しかった。
蕎麦湯を最後に楽しむ。さっぱりとした蕎麦湯。
この店、完全禁煙は嬉しい。が、店内のTVは要らない。うるさすぎるのだ。外には素晴らしい音が満ち溢れている。風の音、木々の音、鳥の声。駐車場で聞こえていたそれらの音は素晴らしく、滲みる音だったのだ。しかし、店内に入った途端TVの音、一気に俗世界に引きずりおろされた気分だった。
雉蕎麦 峠
富山県富山市山田清水10-15 ☎050-3433-5500 (水曜定休 営業時間11:00〜14:00)
今日の仕事は早めに終わった。HOTELに戻り、カウンターでキーを受け取っていると・・・何だろう?ふと目に留まったものがある。
路面電車の旅行者向け割引券だ!梅雨空とはいえ6月の夕方はまだ明るい。乗るしかないな。
聞けば、環状線と普通のラインがある。環状線なら一周回ってくればよいから環状線に乗ってみよう。HOTELの前に乗車場がある。
さっそく2両編成の新型がやってきた。乗り込む。後ろのり、前降りだ。運転席の写真がとりたいから最後尾に陣取る。
さすがに2両編成だ、長い。連結部はフラットで蛇腹もスマートだ。
運転席。
メーターフェチとしてはメーターの写真を。
環状線の一部は他のラインと軌道が共通になる。そのため直ぐ後ろに他のラインから入った車両が迫る。一周回ってHOTEL前で降りる。なかなか楽しかった。
濃いめのコーヒーに重い(ベイクド)チーズケーキを添えて [甘味]
南高梅で梅酒と梅サワーをつくろう。 [日常のなかで]
上品な蕎麦と香りの良い山葵に満足する 富山の蕎麦2 達磨 [富山の蕎麦]
今週は富山。今日はちょっと時間があるので蕎麦を楽しもう.蕎麦マニアの方ならご存知の高橋邦弘氏の元で修行をされ、達磨グループに数えられる店が富山にあるという。調べると黒瀬北町にある。なんだ、何時も通る道付近ではないか。
さっそく探すが・・・・無い。レンタカーのカーナビもお手上げだ。大体の位置はあっているはず、あとは感だ。迷い、探し、たどり着いた。なんだ、結局川沿いの道にあるんだ。11時30分開店だが11時40分に到着した。しかし、駐車場が車で埋まっている。なんとか一台分の隙間を見つける。
店の中は座敷に2卓、テーブル席が2卓、そしてカウンターが。到着したときはカウンターしか空いていなかった。この時間でこの混みよう、かなりの人気店だ。
蕎麦茶が出される。やっぱり蕎麦屋にきたときは蕎麦茶がいい。品書きを見る。細打ちと田舎がある。それぞれ840円で大盛りは420円増しだ。初回の訪問だからとオーソドックスに細打ちの大盛りを頼む。大盛りだと二枚のざるに分けて出されるそうだ。
まず、薬味と汁のみが来た。薬味の山葵と大根おろしは少ない。葱は綺麗に切ってあり、瑞々しい表面をしている。待ちきれなくなって山葵を舐める。
!!!
美味い。香りがいい、そして辛味は強すぎず箸が止まらない。もうちょっと、もうちょっと・・・・無くなってしまった。ついでに大根おろしも食べきった。
蕎麦はまだ来ない。ちょっと汁を確認してみるか。舐めてみる。はーっ、ちょっと薄いかな?香りは左程強くなく蕎麦の香りを邪魔しなさそうだ。甘みが残ることもない。酸味もつよくないが若干塩の強さがある。しかし角があるわけでない。特別シャープではなく、ちょっと控えめな性格の汁だ。無論薄すぎはしないが、個人的な好みから比較してやや薄めと感じる。
蕎麦が到着、まず一枚。 啜ると柔らかな蕎麦の香りがほのかにする。随分上品な蕎麦である。咀嚼してみると蕎麦の甘みは左程増さない。これは汁によって引き立てる必要があるな。蕎麦を汁に浸けて手繰る。汁と蕎麦の絡み具合が丁度良い。上品な蕎麦に控えめな汁。咀嚼して汁の旨味の後には蕎麦の甘みが感じられる。
蕎麦は綺麗な細打ちで表面も艶やかだ。見るからに上品な蕎麦である。途中で再び汁のみを舐めてみる。!?これは・・・・。汁の味が丁度良い。薄く感じなくなっている。
二枚目のざるも来た。この店の汁の量は少なめだ。大盛りの蕎麦を食べきると丁度汁も無くなるぐらいの量である。(汁のみで舐めた分があるのだが、少なめなのは間違いない)
蕎麦湯。とろっとして香りがいい蕎麦湯だった。
富山 達磨 (営業時間11:30〜15:00 月曜定休)
富山県富山市根塚町小松割507-2 ☎0764-92-3989
またまた富山の路面電車。
ちょっと短めの車体が三両つながっている。併走してみる。カッコイイな。
反対側は・・・二両編成になるのかな?これも長い。乗ってみたいな。
催眠学習の効果を検証中。英語は昔も今も何故か最強の入眠効果 [日常のなかで]
実は最近良く眠れる。寝付かれない夜は無いのだ。なぜなら英語の通信教育を聞いているから。
会社の社員教育の一環で通信教育が設定されている。このうち英語に限ってはコースの試験をコンプリートすれば75%が還元される。このような制度があったが今まで特に申し込んだ事はなかった。しかし、今回上司からのお達しは、社として社員教育を強化する方針が打ち出され、各自目標の設定と評価をおこなう。とのこと。つまり、通信教育を申し込み、その卒業試験?に合格しないとボーナスが無いというもの。
これは大変だ。英語など離れて何年たつのだろう?すっかり忘れてしまった。仕事上で読む英文の資料は斜め読みだし、業務上のe-mailの英文は翻訳ソフト様様の状態だ。USへ研修に行ったときはバリバリのBroken Japanese Englishで文法、発音無視の勢い会話に終始していたのだ。(それに仕事での英文に使う専門用語や単位は共通だから何とか通じるのだ。)
さて、どのコースにするか?設定されているコースはいろいろあってビギナーからエキスパートまで各種設定されている。そのなかで価格と内容を鑑みながら選び申し込んだ。いづれも結構な値段だ。しばらくして教材が届いた。CDを聞くわけだが、出張がちな仕事なので家で聞いていられない。上の娘が肌身離さず聞いているipod nanoで試すと具合がいい。これだ!とお父さん専用ipod nanoを購入した。
さあ勉強だ、聞こう。レッスン1~、英文が流れる。繰り返し、繰り返し・・・・・なんかいい気持ちだ。レッスン2~、雲の上に寝そべっているような・・・・・・心地よい英語の発音が遠くなってゆく・・・・・・・ぐぅ~、
お父さん!
娘に起こされる。えっ?あぁ、寝てた?でも気持ちよかった。覚醒と睡眠のはざまのせめぎ合い。何と気持ちが良いのだろう。夢でもなく、現実でもなく、目の前の形あるものが溶け出し形が無くなってゆく。溶けた物体から新しい形が生まれ目の前を漂う。そんな幻覚が現れる。じゃあ、いっそ布団の中で・・・・・と、就寝時布団の中でipodを聞く。意識朦朧のなかで聞く英語。あぁ、気持ちいいなぁ。奥さんは睡眠学習?と冷やかす。音声と一緒に発音していても無駄だった。発音していた英語はいつの間にかイビキに変わった。
しかし英語の音は眠くなる。そういえば昔、学生時代も英語は眠かった。授業中は睡魔と闘い、カセットで英語を聞けば爆睡。この頃だ、雑誌に載っていた広告で”睡眠学習”の文字を発見したのは(今もあるのかな?)。これは効果あるのか?もし、効果があるのなら、この状態でも学習できているという事だよな?よし、効果があるか検証してみよう。
こうして布団の中で覚醒と睡眠の狭間に身をおき、その浮遊するような感覚を毎晩楽しんでいる。昔も今も英会話のカセット(CD)は最強の入眠アイテムだ。英語の発音とリズムが耳に心地よい。酒と違って二日酔いや依存性が無いし、薬物とちがって処方箋もいらない。自然と早寝になって早起きだ。実に健康的である。朝、体が軽いのだ。この教材は健康増進の効果があるようだ。実際の目標はTOEICのスコアを伸ばすことのはずだが・・・・・
今日から富山へ出張。富山は路面電車があって好きな街だ。珍しいから路面電車と併走してしまったりする。前回来たときは試運転中だった新型の路面電車が営業運転していた。三両編成のような構造のちょっと長めの電車で、カナダなんかで走っていそうな形だ。
路面電車のある風景は好きで、いま宿泊中のホテルの前は路面電車の軌道があって、時おり路面電車の音が聞こえるのが嬉しい。
31アイスケリームケーキでコールドストーンの風味を楽しもう。 [甘味]
素晴らしい蕎麦と汁、相性の良さが重要 つくばの蕎麦2 那由他 [茨城の蕎麦]
もり蕎麦一品のみで勝負する 諏訪の蕎麦3 手動石臼挽き十割蕎麦 花 [信州の蕎麦]
本日は諏訪へ出張だ。諏訪に気になる蕎麦屋がある。”蕎麦屋 花”、手動の石臼挽きの手打ち十割蕎麦なのだ。蕎麦は八ヶ岳麓産限定ときている。HPを見つけたが、いろいろ拘っているようだ。またHP上の品書きがいい。
・・・・・お品書き・・・・
もりそば 1500円
だけだ。おや、当店のそばについて、との題で記載がある。
当店はもり蕎麦一品の店でございます。手動の石臼で、8名様分の製粉に約3時間を所要している蕎麦粉の十割蕎麦。玄蕎麦を自家製粉しています。蕎麦粉(挽きぐるみの全粒粉)を水こね手打ちにしています。一般に石臼の回転摩擦熱により蕎麦の香りが失われるとされているため。毎分6回転以下~毎分12回転以下と低速回転で5度製粉しています。云々・・・・・・・
十割蕎麦と申しましても、つながりの悪い一番粉(更級蕎麦、変わり蕎麦)を使った湯こね十割蕎麦、つながりの良い二番粉、三番粉を使った十割蕎麦、もっとつながりの良い三番粉のみを使った十割蕎麦など多種にわたります。当店の全粒粉の十割蕎麦は一番粉から二番粉、三番粉、四番粉、五番粉を全て使い込んだ全粒粉の水ごね十割蕎麦です。云々、云々・・・・・・・・
はい、判りました行きます、行かせていただきます。という気分になる。それに文面からすると蕎麦は一日8食、せいぜい20食ぐらいしか作れないだろう。だからこそ高い価格なのか。HP上の写真だと隠れ家っぽいし、楽しみだ。
しかし、三番粉までは他店の品書きにその名を見かけたことはあるが、四番、五番は初めてだ。これはかなり野趣あふれる強い蕎麦なのだろう。四番、五番まで使い込んで、食感、喉越しは大丈夫なのだろうか?
諏訪ICを降り、諏訪大社上社に向かう。諏訪大社上社の東参道側鳥居から100mの位置にある。一日に供する蕎麦の数が心配で開店に合わせて到着する。
幟がいっぱいだ、店はこじんまりとしている。わりと新しいようだ。
入り口前の看板が無言の圧力をかける。これを見て引き返す人も多いだろう。もり蕎麦一品のみの店と高らかに宣言し、1500円というインパクトを与える。これで平然としている人は、蕎麦好きか余程の無神経か、セレブだけだろう。(尤もセレブが盛り蕎麦など食べないか)
”もり蕎麦、1500円”などという文字を見ると、逆に興味が湧いてしまう。普通の蕎麦の倍の価格だ。これで美味くなかったら詐欺である。無論店主も承知だろう。ならば食べさせていただこう、1500円の蕎麦を!という気分なのだ
暖簾にある文字は”そ”?、花なんだろうな、きっと。
開店と同時だから誰もいない。内装は蕎麦屋というより山小屋風でウッドが多用され、高原のペンションの食堂という感じだ。テーブル、椅子もしかり。BGMは松任谷由美がエンドレスで・・・・。ご趣味なんですね。テーブルの上のマットも蕎麦屋とは思えない。洋食屋さんに居るみたいだ。蕎麦ではなくハンバーグランチでも注文しようかという気分になる。
ご主人が来て心配そうに言う”うちは盛蕎麦しかありませんが大丈夫ですか?”と。聞けばやはり看板をみてUターンしてしまう人が多いそうだ。そりゃそうだ。
この店は昨年の冬に出来たばかりという。蕎麦は日に8食から16食しか作れず、それゆえに1500円になってしまうそうだ。手間隙かかって16食で、そこから利益をキープしようとすると価格は高くなるのは当たり前だ。でも、自分の大雑把な計算では1500円だと赤字なんだが・・・。
茶と山葵の葉の炊いたのが出される。山葵は好きだが、山葵の葉も大好きなのだ。クレソンみたいな感じで、とても美味しい。苦味と辛味と香りが素晴らしいから。とくに清涼感ある香りは最高だ。この炊いた山葵の葉も清涼感が鼻に抜け、喉にほのかな苦味が残しながら喉の奥に消えてゆく。美味しい。
一応、品書きはあった。必要ないのでは?箸は割り箸ではない。これは好感が持てる。
割り箸の質にもよるのだろうが、割り箸だと口に入れたときに箸の匂いを感じる。その匂いが邪魔で、蕎麦の香りが味わえない。また、口に入れたときに感じる割り箸の味も邪魔だ。だから割り箸が出てくる店は、蕎麦を食べる前に茶の中に割り箸の先を入れ、十分に湿らせておくのだ。こうすると割り箸から出る匂いや味が少なくなる。
汁と山葵が来た。山葵は本山葵だ。嬉しい。
すりおろそう。する度に山葵の香りが立ち込める。一寸舐めてみると香りが口いっぱいに広がり、鼻に抜けた辛味が涙腺を刺激する。たまらない!最近まともな山葵にありついてなかったから。
少しすりおろして、残りはそのままかじろう。
かなり存在感のある蕎麦である。細いのに存在感がある。一番から5番まで使った蕎麦は色が黒く、見るからに力強い蕎麦である。蕎麦のみで啜る。なんという香りだろうか。素晴らしい香りが口のなかに一杯に広がる。十割蕎麦で啜ったときから香りが立つ蕎麦は初めてだ。4番5番まで練りこんで香りが強くなっているのだろう。咀嚼すると甘みが増してくる。しかも食感がよい。十割で強い蕎麦、店によっては食感が悪いのもあるが、4番粉5番粉まで使用してこの食感、素晴らしい。しかも喉越しも問題ない。蕎麦のみで食べても問題ない味わいで、油断すると蕎麦のみで啜り続けて食べきってしまいそうな程、香りがいい蕎麦である。
表面は粗いが喉越しはいい。しかも香りが高く食感も心地いい。1500円の価値はある。そうだ、汁、汁を忘れていた。汁を口に含む・・・・・・・・なんだ?これは???。塩が強い。でも汁自体は薄いのだ。塩が強い薄い汁。甘み、コク、旨味が少ない。ダシの香りと塩気のみだ。これは好みではない。ダシの香りは感じるが旨味がなく、コクもない。こんな汁にあの強い蕎麦は無理だろう。一応蕎麦を汁に浸けて食す。ダメだ、完全に喧嘩している。汁が蕎麦の味を引き出さず、それどころか拒絶している。汁の味に調和がなく、各味がバラバラになっているような感じだ。これでは1500円の価値は無い。蕎麦に汁を少し浸けて啜ると、汁のコク旨味がなく、また味が薄いため物足りない、また汁によって蕎麦の香りも隠れてしまう。汁を多めに浸けて啜ると、塩気が強くどうしようもない。どのように扱ったらよいのか判らない汁だ。ふとテーブルの端を見る。
おお、塩だ。塩がある。この蕎麦に粗塩かけて食したら美味いだろう。さっそく試す。美味い。甘みと香りがより引き立ってくる。結局ほとんどを汁無しで食した。蕎麦は美味しかったが、汁が残念だ。ここまで特徴のある蕎麦だけにもったいないと思える。
ティーポット?ではなく、蕎麦湯である。蕎麦湯はあっさりとしていた。
ここの蕎麦をもう一度食べたいと思う。しかし、汁はいらない。この蕎麦、いっそ辛味大根の絞り汁に味噌を溶いて、それに浸けて食べたら美味しいだろう。そう、おしぼりの汁にも決して負けない、いや、むしろ引き立てあうだろう。そう思える。
残った山葵をかじりる。口の中が清涼感で一杯になる。強い蕎麦だった。山葵をかじった後も喉の奥から蕎麦の香りが立ち上ってくるようだ。