北鎌倉の紫陽花を楽しむ 明月院 [日常のなかで]
近所の紫陽花が綺麗に咲いている。きっと北鎌倉は紫陽花で覆われているだろうな。
そう思ったら最早心は上の空、頭の中は紫陽花でいっぱいになる。
行くしか無い。が、休日は人が多くゆっくり観られない。ならば平日だ、しかも朝一番に行ってみよう。
休みを取って朝7時に出かける。東横線、横須賀線を乗り継いで8時すぎに北鎌倉に到着した。
上り方向の通勤の人々を横目で眺めつつ、下りホームの溢れんばかりの学生達とともに改札を抜ける。
明月院に行く途中の道々にも紫陽花は一杯だ。
久々にカメラぶら下げて北鎌倉に来た為か気分はかなり舞い上がっている。やたらシャッターを押しまくる。
明月院に到着したが開門は8時30分、まだちょっと時間がある。既に長い行列が・・・・平日だよな?
明月院前の道壁に貼り付くように咲いている紫陽花の群生は
明月院の紫陽花への期待感を高めるように咲き誇っている。
開門、行列が無くなるのを待ってから入る。入り口の紫陽花の壁が綺麗だ。
いい具合に色が乗っている。ここにカタツムリがいれば最高なのだが。
濡れた花びらが瑞々しい。
道々に咲き誇る紫陽花にみとれる。
花びらの色合いの素晴らしさ。まるで印象派の色使い。赤と青が細かく微妙な加減をもって混ざりあっている。
思わずカタツムリを探したくなる。
目が覚める程色鮮やかな紫陽花の一群があった。静寂感の中の鮮烈な色、ため息が出る程綺麗だ。
紫陽花に導かれるように上に上にと上ってゆく。一面に紫陽花だ。空気が青く感じる。
明月院といえば紫陽花、そしてこの丸窓。こちら側は俗世界、そして丸窓の向こうは静寂、別の空間を感じる。
300円払い室内にあがる。
この室内に座する時、無意識に正座になる。畳の上で静寂を楽しむ。
丸窓を眺める、自然と心静かになり実態は無くなり空間と一体となるようだ。
和服の女性が前を横切る。この空間と和服は良く似合う。
しばらく静寂を楽しんだ後、丸窓の向こう側に出てみる。丸窓の向こう側は・・・・雨だ。
天気予報では雨マークは出ていなかったはずだが・・・・・。
しかし、窓の外側の縁側で観る景色と丸窓越しに観る景色の何という違いだろうか。
同じ風景のはずだが、何故こうも違って感じるのか。
もう一度丸窓から一番離れた場所で丸窓を眺める。
雨音を聞きながら丸窓の向こうの空間を見つめると心は無になる。何も想わず、何も考えず、ただ座して感じるのみ。
この位置から丸窓を眺めれば、窓の向こう側は無限の広がりを持つ。
しばらくここで雨宿りだ。