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エスケープして青梅の紅梅苑に行く [バイクと車]

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マンションの横にあった住宅展示場は解体工事の真っ最中だ。重機が地面を掘り起こしてアスファルトや配管の撤去作業をおこなっている。そんなある日、業者から連絡がはいった。
何でも重機が土地境界表示を吹っ飛ばしてしまったらしい。つまり、土地の境界が判らなくなったのだ。
この土地境界はマンションの敷地、工事中の土地、横浜市の土地の境界で、三者立ち会いのもと、測量して新たに境界表示を取り付けるという。
つまり、急遽休みを取らなければならない、しかし、自分の意思や都合で休暇を取得するのではなく、業者のミスによって仕事を休まなくてはならないのだ。しかも業者といっても隣の土地の工事業者だ。釈然としない。年休を無駄に消費した気分だ。休業補償ぐらい出してもらいたいものだ。
しかも時間がどのくらい必要か判らない、半休だと不安だ、一日休暇をとった。

今日の朝九時から実況見分と測量を行なった。
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この頭が赤いブロックがそう。十字に切り込みがあり、中央部が土地の境界

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これが吹っ飛ばされて無くなった境界表示。穴だけが残った。

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測量屋さんも炎天下で大変だ。

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境界点を探す。


測量器の具合が悪く何度も測り直したが一時間半ぐらいで終了。
10時半、今から仕事にいけば半日仕事ができるな。
半日だけだし・・・・バイクで行くか。
リュックタイプの鞄に仕事用PCを入れてバイクにまたがる。
環状2号をオフィスに向かって走る。
仕事用PCや土地境界表示を撮影したカメラを積んだ鞄は重く、型にベルトが食い込む。
環状2号を気持ちよく走り、藤塚交差点にきた。オフィスにゆくにはここを左折する。
ウインカーを出し、ブレーキレバーを軽く引く、車体は緩いノーズダイブとともに減速Gがかかる。
腰は左に入っている、あとはブレーキレバーをリリースすれば左折してゆく。
ポイントが接近した、だが、右手中指と人差し指がリリースを躊躇う。
待て、どうせ一日休みとったんだろ?声がする。
しかし、書類も溜まっている、半日でもあればスケジュールが楽になる、と別の声。
いや、何とかなるさ、こんなチャンスはまたとないぞ!違うか?次の解放日が何時になるか判らないではないか!
その通りだ、今週は”チャーンス!”が多いな。こういう時は流れに従おう!
決まった、エスケープだ。
腰を中央に直し、ブレーキをリリースするのと同時に左足はギアを踏み込み右手はスロットルを大きく開ける。
ZZRのラムエアダクトからの吸入音が大きく変化し、タコメーターの針は跳ね上がる。
車体は軽く震えエキゾーストからのサウンドはバリトンからメゾソプラノへ変化する。
交差点をまっすぐ突っ切り、16号BPへの進入コースをたどる。

どこへ行くかは直感的に決まっていた。青梅&奥多摩だ。
何故か?それは今朝、業者を待つ間にブログを見ていたがそこに興味深い記事があったのだ。
それはstandardgogoさんの記事なのだが、そのなかで青梅の甘味屋さんの紹介記事があった。
この店の葛切りが美味しいらしい。ご夫妻で行かれて3人前注文するがstandardgogoさん自身はめったに食べないそうだ。つまり奥方様が3人前を平らげる、という記事だった。
気になる。美味しくておかわり、つまり二人前は普通だが、デフォルトで3人前を食べるのは珍しい。
余程美味しいのだ、きっと。
店のHPも紹介されていたのでHPから場所は確認しておいた。行けば何とかなるだろう。

16号、11時も近いと渋滞が醜い、今日もスリ抜け競技大会と化する。
八王子BPにくると無料化実験中の看板。ああ、無料になったんだ。と、妙な感心をする。
あの距離であの値段はあこぎだったな、と思う。
八王子を突っ切り、青梅街道に進路をとる。
青梅駅周辺まできた。何処だったっけ?記憶を頼りにさまよう。良く判らない。炎天下で迷子状態となってしまった。
彷徨いながら美味しそうな蕎麦屋をいくつも見つけた。
入りたくなるのを我慢する。満腹になったら梅の葛きりの香りや味が感じにくくなってしまうから。
それに今日の目的は蕎麦ではない。あくまで葛きりなのだ。
探し続けて走り回る、脱水症になりそうだ。涼しく休むところを求めて見かけた茶屋に逃げ込む。

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茶房ギャラリー 木の花

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古民家の建物に誘われ、涼を求めて逃げ込む

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本物の古民家。明かりは外の光がメインで薄暗い。
障子からの乳白色の光が心地いい。
BGMが聞こえるか聞こえないか位の小音量で嬉しい。
頼んだアイスティーは一気に飲んでしまった。水を何度もいただく。
実に落ち着ける空間で、このまま何時間でもいたくなる程だ。
こういう空間だと何故か正座になってしまう。凛とした何かがあるのだろう。
PCを起動しもう一度場所を確認する。よし、出発だ。
帰り際、店の方がペットボトルに氷水を入れて持たせてくれた。
その心遣いが実に嬉しかった。
場所を再確認して紅梅苑に到着。

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結構大きな店だ。

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駐車場も広い。

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甘味のメニュー。この青梅葛きりだな。

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店は、入り口中央が売店で左右に甘味処がある。左側が人気のようだ。
右側が空いていたので右側に陣取る。

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これですね。

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梅の甘露煮の存在感が凄い。

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半透明な葛きりが涼しさを呼ぶ・・・

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葛きりを汁に入れて、頬張る。爽やかな梅の香りが体を突き抜ける。
夏バテた体に染み込むようだ。これは美味い。
葛の食感もよく、梅の香りが高い。甘さもあるがくどくない。ちょっとコッテリした梅酒の甘さだ。
これは3人前いきますねー。

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白玉もいただこう。つるんとした食感が嬉しい。
梅の甘露煮も円やかな甘さが美味しい。
しかしこの青梅葛きり、ウチの奥さんがハマりそうな味だ。絶対に気に入ると確信が持てる程だ。
一人で食べるのも気が引ける、土産で買うか。
売店のウインドウを見てみるが葛きりは無かった。
他の菓子はバイクでの持ち運びは心配だ。それに葛きりなら気に入ってくれるとの確信はあるが、他の菓子では左程感動しないだろうし。残念だが土産は無しだ。
奥さんゴメン、買って帰れない。せめて俺が君の分まで味わってくるから!
すいません!同じのもう一つ!
今日の昼ご飯は青梅葛きりを2杯、奥さんの分までしっかり味わった。
さあ、体に喝も入り喉の乾きも収まった、奥多摩湖へ行こう。
411号を走る。奥多摩に入れば山の香りが一杯だ。
蝉もカナカナと涼しげに鳴く。

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かなり登ってきた。ヒンヤリした山の空気を楽しみながら走る。

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本当はもっと走りたかったが時間がない。
出発時間が遅かったから仕方がない。
これ以上遅くなると夕方の渋滞に巻き込まれてしまう、帰ろう。
帰りは411号で八王子まで出る。それから16号。
16号はやっぱり渋滞。





アイコン変えました。
standardgogoさんにイラストを描いていただきました。
素敵なイラスト、有り難うございました。


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