締まった汁で喉越しの良い蕎麦を食す快感 諏訪の蕎麦4 富士見高原 手打蕎麦 眞 [信州の蕎麦]
今週の出張先は甲府、諏訪のコースだ。信州の情報誌”くら”で見つけ気になっていた蕎麦屋”眞”に行ってみることにした。山梨と長野の県境にあるこの店は八ヶ岳、甲斐駒ケ岳、富士山を眺めることができるそうだ。
中央道、小淵沢を降り国道20号方面へ曲がる。中央線の下をくぐり、最初の信号をを右折する。
細い道を進む、県境を越えてしばらく往くと小さな看板があった。本当に小さな看板で見落としそうだ。
しかもこの看板には”手打蕎麦 眞 手前15mを左折”と書いてある。
普通曲がる前に看板出すだろう?って思いながらギアをリバースに入れる。
左折後しばらく走ると看板があった。
高原の中の一軒家という感じの佇まいである。
内装は木の温もりを感じさせる落ち着いた空間だ。
奥の窓から富士山が綺麗に見えるのだろう。しかし今日は雨、見ることはかなわない。
蕎麦茶と胡瓜の漬け物が出される。胡瓜が大きい。高原野菜だろう。
もり800円、とろろ1000円、天もり1500円、それだけだ。暖かいのは品書きに無かった。
そして大盛りの設定もない。
追加の蕎麦は500円となる。
もりを注文する。
蕎麦は極細で艶やかな透明感がある。
早速手繰ろう。
蕎麦を啜る。極細のためか香りの立ちが少ない。咀嚼するとほのかに甘味が顔を出す。
これはきっと汁に合わせると甘味が増すタイプだ。
さらに啜る、今度は一気に。いい喉越しだ。極細の蕎麦は喉の奥へ滑るように走ってゆく。
薬味に山葵は無い。葱と辛味大根のみだ。
山葵の香りが強いと蕎麦の香りを殺してしまう、いっそ無い方が良いとの判断か。
この判断は支持できる。
汁の味を確認しよう。
舐める程に口に含む。おおっ、引き締まっている。凛としたシャープな輪郭の汁だ。思わず背筋が伸びる。
若干濃いかとも思うが、そのまま飲み続けられる位だ。濃過ぎるわけではない。
最近甘めの汁ばかりで凛とした汁に出逢っていなかったためか嬉しい。何度も味を確かめるように味わう。
甘味は残らず、ダシの香りと酸味が爽やかさを伴って喉に落ちてゆく。
蕎麦と汁を合わせよう。
啜ると凛とした汁の香りとコクが広がり、噛み締めると蕎麦の香ばしい甘味が立ってくる。
喉越しもいい。
喉越しを楽しむか、じっくり噛み締めて甘味を楽しむか迷う。
半分は噛み締め、残りは一気に喉越しを楽しんだ。
喉越しの良い蕎麦をキリッと締まった汁で一気に手繰るのは快感だ。
蕎麦湯の濃さは適度、濃すぎず薄すぎず。口の中をサッパリとリフレッシュするのに丁度いい。
長野県諏訪郡富士見町境生ノ沢1838-1
☎0266-64-2212
11;00〜14;30
水曜定休