CPの高い十割蕎麦と明るい空間 郡山の蕎麦3 桑野 蕎屋 (きょうや) [会津の蕎麦]
時間の制約から会津で蕎麦は無理だ。郡山で食べよう。郡山にも美味しい蕎麦はいっぱいあるのだ。
桑野の蕎屋(きょうや)に行く事にする。
メインの通りから離れた場所にあって迷いやすい。
郡山駅から釆女通りを走って49号に向かう途中にある桑野三丁目の信号を左折。
ちょっとクランンク状になっている信号を突っ切って次に曲がれる辻を右折するとある。
店は綺麗な感じで、女性にも喜ばれそうだ。
内部はテーブル席とカウンター、そして座敷がある。
カウンターはお洒落な感じで、テーブル席だって旧来の蕎麦屋の感じはない。
BGMはJAZZが心地よい音量で流れる。んー、これはコルトレーンか。
テーブル席に陣取った。品書きを確認しよう。
セイロ682円、大盛りは315円増しである。大盛りでしょう。十割の大盛り、これが食べたい。
十割でこの価格は破格の値段だ。何処の蕎麦を使っているのだろう?
見れば壁に”本日の蕎麦”と説明書きが。
福井産の蕎麦粉で水捏ねの十割蕎麦と記される。
それ以外の情報も記載されているが、石臼の材質や回転速度、振るいの網目の規格等で良く判別出来ない。
(まだまだ勉強が足りないな)
しかし、美味しそうだという事は感じ取った。
まず水が出される。えっ?蕎麦茶じゃないのか?これだけの店の雰囲気で水は寂しいな。と、この時は思った。
蕎麦の前に小鉢が出される。
モロヘイヤの山葵和え。ネバーとした食感と鼻に抜ける山葵の香りに味蕾が喜ぶ。
蕎麦が来た。
シンプルな美しさがある。
蕎麦の盛り方、器の色と大きさ、シンメトリックな配置、美しい。
蕎麦を手繰る。美味い!
啜れば蕎麦の甘く、香ばしい香りが口の中に一杯になる。咀嚼すれば甘味が増す。奥歯で蕎麦を挽くごとく擂り潰せば甘味と香りがじんわりと広がってくる。
蕎麦の表面は木目が細かく、色も綺麗だ。細打ちで星は無く、上品な姿だ。
喉越しも十割としては優れている。啜るのに抵抗は無い。
薬味は葱、山葵、辛味大根がつく。
山葵を舐める。瑞々しく色も爽やかな緑だ。その香りは高く舐めた瞬間の清涼感は素晴らしい、辛味は左程強くないのでついつい舐めすぎる。良い山葵だ。
辛味大根もしっかりした辛味で、口直しの薬味に最適だ。
汁を舐めてみる。
ちょっと濃い口か。しかし甘味が残る事は無い。
凛としたシャープさは感じないが、輪郭ははっきりしている。ぼやけた味ではない。
重さがあるので軽やかな爽やかさは無い。
蕎麦に少量浸けて啜る。
蕎麦の香りが突き抜け、汁の旨味が口の中に広がる。
咀嚼すれば蕎麦の甘味に汁のコクが重なり、蕎麦の甘味を増幅する。
これだ!やはり蕎麦はこうでなくっちゃ!
蕎麦をたぐり続ける・・・・・ん?お腹が膨れて来た。
ちょっと量が多い・・・・
手繰っても手繰っても蕎麦は残っている。いくら大盛りを頼んだとはいえ多い。
量の多い店なのだ。
最近、一人前の量が少ない店ばかりに行っていたからインパクトがある。
普通盛りで十分だったかもしれない。
この価格でこの量と味だ。CPは最高に高い。
しかも店の内装の雰囲気も悪くない。
頬が緩むのを感じながら蕎麦を平らげた。
蕎麦の無くなる頃合いで蕎麦湯が来た。
ドロッとした蕎麦湯は香りが高い。
汁を割っても美味しいし、そのままでも美味しい。
全部飲みきってしまった。ドロッとした香り高い蕎麦湯はお腹に溜まる。ますます満腹だ。
蕎麦湯を飲み終える頃、お茶が来た。
ドロッとした蕎麦湯で口の中はネットリしている。茶をいただく。
おおっ、蕎麦茶だ。香ばしくて美味しい。
高いCPに大満足の蕎麦であった。
手打ちそば 蕎屋
福島県郡山市桑野2丁目153-4
☎024-931-3999