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潔くセイロのみ 隠れ家の趣 手打ち蕎麦 麦客庵 [埼玉の蕎麦]

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腰の痛みと戦いながら再び熊谷に出張。花園ICから140号に入り、熊谷方向を走る。実はお目当てがある。先週140号線を花園ICに向かって走っていたときに目に留まった小さな看板。”手打ち蕎麦 麦客庵”。ボーっとしていると気付かないような看板で、看板の側に店もないから気付きにくい。先週初めて気付いたが、交通量が多く、止まるどころか減速さえできず確認などできなかったのだ。

一旦通り過ぎ、案山子のうどんやの信号でUターンする。花園IC方面に走って深谷と熊谷の境の表示板の側にその看板はある。田畑の中に入ってゆく。住宅地だ。新興住宅ではなく昔からの農家の集落だ。再び看板がある。

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矢印に従って車を進める。昔からの集落だ。道が狭く、入り組んでいる。何度も辻を曲がりながら、帰りはちゃんと140号線に戻ることができるか不安になる。だんだん隠れ家か秘密基地ぽっくなってきた。ちょっと楽しくなってきたぞ。

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ようやくたどり着いた。どうやら農家らしい。かなり大きな農家だ。蕎麦と饂飩の看板。饂飩は地粉らしい。看板の横は巨大な車庫で赤いトラクターが数台鎮座している。倉庫も大きく、かなりの農家のようだ。さっそく試してみよう。

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家の大きさに圧倒されながら庭を進む。蝉の鳴き声と麦藁帽子が似合いそうな雰囲気だ。

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室内は普通の農家。畳の部屋、二間を客席にしている。卓は各部屋四卓、なんとも寛げる空間だ。本来土間だったところが厨房なのだろう。お品書きは無く、厨房側の壁に一枚貼ってあるのみ。その紙には四行記載があるのみだ。

蕎麦850円 、饂飩850円、大盛り1300円、そして鴨汁。

つまり、セイロのみ、何とも潔い品書きだ。蕎麦を頼んで庭を見ながら寛ぐ。

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障子戸の下側は硝子で庭を眺めて寛ぐことができる。庭に咲き誇る花と新緑が眩しい。

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お茶はほうじ茶。茶うけに昆布の佃煮も一緒にでてきた。ダシを取った後の昆布を炊いたのだろう、立派な昆布だ。肉厚がすごい。こんなに厚いとは業務用はすごいな・・・と妙に感心しながら食す。美味しい。甘すぎず辛すぎず、この塩梅。これから出てくる蕎麦の汁の味を期待させるに十分だ。

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蕎麦が運ばれてきた。天麩羅は心尽くしのサービス品。何でも今、新潟から届いた山菜だとか。

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蕎麦は細打ちで若干星がある。艶やかな表面で喉越しがよさそうだ。薬味皿に何か見慣れぬものが・・・・卵だ。何故? 

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蕎麦だ!蕎麦を食べよう。蕎麦のみを手繰る。予想通り喉越しがいい。啜れば蕎麦の香りが鼻に抜け、蕎麦の香りが楽しめる。細打ちの為か咀嚼しても蕎麦の甘みは重ならないので、喉越しを思いっきり楽しむ。汁を舐めるほどに口に含む。美味い。辛くなく、何口でも飲み続けることが出来る。しかも薄くなく、味はしっかりしている。甘みも口に残らず洗練されている。爽やかな後味だ。蕎麦を汁に浸け手繰る。汁の旨味が蕎麦の甘みを増幅させる。啜った瞬間の蕎麦の香りと汁の旨味、そして喉越し。なかなか良い店を見つけたと嬉しくなる。

おお、そうだ天麩羅。天麩羅に塩を振り食べる。山菜のほろ苦い味が口に心地よい。

再び蕎麦、しかしここで重大な事に気付く。汁の継ぎ足しが無いのだ。もともと少ししか入っていない、蕎麦を全て汁で食すには明らかに不足だ。残った汁を蕎麦湯で割って楽しみたい。汁の節約だ!塩で蕎麦を食べよう。盆に一緒についてきた塩は天婦羅用かと思ったが、蕎麦にも使ってくださいという意味かもしれない。蕎麦に塩を振って啜る。蕎麦の香りが鼻に抜け、塩によって増幅された蕎麦の甘みが舌の上で踊る。これは美味い。結局、半分は塩で食した。

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蕎麦湯。残った汁を蕎麦湯で割る。美味しい汁だ、割って飲んでも美味しい。二杯目は蕎麦湯のみで。蕎麦湯は茹で上げた湯そのものでアッサリとしている。

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卵だ、忘れていた。どうしよう。汁に割りいれる為だったのか?と恐る恐る軽く割ってみると・・・・・・ゆで卵だった。大きな農家で食べる卵、妙に美味しく感じた。 子供の頃の記憶と共に。

 

 

麦客庵

埼玉県深谷市瀬山443  ☎048-583-4475  営業時間11:30〜   定休日日曜、祭日 


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