葱一本で食す蕎麦 大内宿 三澤屋 [会津の蕎麦]
会津の仕事は片付いた。帰路をいつもとは変えてみよう。いつもは磐越道で猪苗代湖の北側を抜けて行くが、今回は下道で猪苗代湖の南側を抜けてみよう。
このコース上で蕎麦は・・・と地図を見て気づいた。大内宿の三澤屋に行くチャンスだ。このタイミングで仕事が片付くなど、こんなに都合よく行く事はそうはない。行けるときに行くべきである。たとえ雪が降っていても。
帰り道のコースを大内宿こぶしラインにとる。だんだん山の中に入ってゆく。
すれ違う車もない。なれない雪道、ペースはあがらない。無論レンタカーはスタッドを装着しているが、上り坂コーナーリング中ちょっとしたアクセル操作ですぐにグリップを失う。急な登り坂なのでスピードも乗らず、グリップ失ってもコースアウトには至らなかった。
こわごわ走っているが後続車もいない。山を登り、大内ダムを超えると下り坂だ。
下りのコーナーでグリップ失ったら最悪である。最悪コースアウトだ。注意深く運転するも下り坂でスピードが乗る。コーナー前でブレーキングするも何度かグリップを失う。それでもABSのおかげでコーナー進入までにはスピードを落とせた。
ABSとスタッドの有り難みがよく判った。もしこれらが無かったら確実にコースアウトしていただろう。
駐車場に車を置いて、徒歩にて宿場の通りへゆく。
寒い。風もあり非常に寒い。降る雪の中、雲が薄い部分があるとみえ、ほのかに陽の光がみえるのが幻想的だ。
三澤屋を探す。同じような建物と雪の中探す、町並みの美観理由もあり特に大きな看板は無い。
奥まで行ったが見つからず、引き返すと、あった。意外と手前にその建物はあった。
さあ、中に入ろう。
各テーブルには炭が焚いてあり、暖かく嬉しい。
真ん中の囲炉裏では岩魚の塩焼きが・・・・・美味しそうであった。
お茶はほうじ茶。こんな寒いときには暖かいお茶と炭火が何より嬉しい。
寒そうにしていたのか炭を増やしてくれた。
メニューは扇子に書いてある。
高遠蕎麦、けんちん蕎麦・・・・こんな寒い日にはけんちん蕎麦の方が良いのだろうが、葱で食べる蕎麦が目的である以上、迷わず高遠蕎麦をオーダー。冷たいですけど大丈夫ですか?と心配された。よほど寒そうにしていたのだろう。
(高遠蕎麦、けんちん蕎麦ともに1050円)
お茶受けの漬け物。大根が大きく美味しかった。表に干し柿と大根が吊るしてあったが、自家製なのだろう。蕎麦が来た。
うん、テレビやら、雑誌やらで見た通りだ。まず蕎麦の香りを確認・・・と言いたいところだが、蒸籠でなく、しかも鰹節が上にかかっているため蕎麦の香りは確認できない。
箸を使って蕎麦をすする。冷たく、締まった蕎麦が喉を通る。うまい。
では、さっそく葱で食べてみよう。葱で蕎麦をすくうように乗せて・・・・。
葱の辛みと香りが蕎麦、辛み大根と一体になって何とも美味い。
ただ、個人的には鰹節は邪魔だった。鰹節が無い方が蕎麦の香りが引き立つと思うし、味もシンプルになって良いのではと思える。
二口目、葱に蕎麦を乗せて・・・口の中へ入れると同時にかぶりつく。ん!葱の強烈な辛みと香りが鼻腔を突き抜ける。その香りは目にも涙を浮かべさせる。
どうやら口の中に入れる前に蕎麦が葱から滑り落ちてしまったらしい。
これは注意が必要だ。
蕎麦を食べるたびに短くなってゆく葱、蕎麦と辛み大根を楽しんだ。
(高遠蕎麦は辛み大根の絞り汁を付けて食す蕎麦との認識であったが、ここの高遠は掛け蕎麦になっている。会津市内で高遠蕎麦を頼むと蕎麦を辛み大根の絞り汁に付けて食す様式で供される。)
この高遠蕎麦を味わい楽しんだがやはり冷える。
蕎麦湯を入れ飲むが、冷たい掛け蕎麦のため汁が多く、温度が上がらない。
思わず栃餅を追加で頼んだ。きな粉か小豆餡か選べる。またミックスとして両方の味を楽しむ事もできるらしい。甘党としは嬉しい限りだ。迷わずミックス。(630円)
今日、自分の習性に新発見があった。
昨日といい今日といい、どうやら、体が冷えると餅が食べたくなる習性らしい。
餅が’想像より大きい。まずきな粉から
栃の実の茶色が香ばしくて美味しい。餅は柔らかく、きな粉の甘みは抑えめ。
次は小豆餡。この餡、小豆は少なめのようで小豆の味は薄い。甘みも抑えめである。
小豆は小粒で、地物なのであろうか、ほっこり感が無い。餡の色も赤みが強いようで、小豆の種類が違うのであろうか。(北海道産大納言小豆を使って自分で小豆餡を作ったときは、ここまで赤みは強くなく、むしろ白っぽい色であったことから小豆の種類の違いだと思う)
小豆餡に関してはもっとほっこり感のある味が厚く甘い方が好みだ。
外に出る。餅で体が暖まったせいか寒さが和らいだ。
干し柿がたくさん吊るしてあるのが美味しそうだ。
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