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御殿場の蕎麦 書院造り様式の空間で食す 手打ち蕎麦 草季庵 [静岡の蕎麦]

今日の出張は裾野であるが、以前より気になっていた御殿場の草季庵に行ってみることにする。
東名を一気に走り目的地一個手前の御殿場でおり、246を沼津方面へ進む。
目印のタイヤショップの交差点を曲がると畑の中にそれはあった。遠目にはログハウスにも見える。
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開店は11時30分から。まだちょっと早い。店の周りをを散策。
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古い民家、趣があり、書院造り様式とでもいうのだろうか。
外を散策していると暖簾がかかった。開店だ。中へ入る。
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茶が出される。んっ?色が茶じゃない?こっこれは蕎麦湯だ!
何と最初に蕎麦湯である。意表を付かれ戸惑いながらも口に含む。口の中に蕎麦の香りが広がり。否が応でもこれから食す蕎麦への期待が高まる。何を頼むか。
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蒸籠か?いや、しかし、おしぼり蕎麦があるではないか。長野の千曲付近でしか食べた事が無い大好物の一品だ。しかし、ここは静岡だ。ここで本物にであえるだろうか?
不安を感じながらも気になり、でも蒸籠を頼む事にする。だが、店の人の何になさいますか?の後、思わず”おしぼり蒸籠の大盛り”と答えてしまった。やはり大好物の一品。頭は疑問を感じていても体は正直に答えてしまう。
期待と不安を抱えながら蕎麦を待つ。
待ちながら店の中を観察。たしかにこれは書院造り様式というのだろう。間違いは無いと思うが、専門外なのでよくわからない。
しかし、何と言うか、寛げる気分になれる。寛ぎながらも凛とした心持ちでもある。
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障子越しに差し込む柔らかな光に蕎麦湯の湯気が反射し乳白色の帯となって立ち上がる。
奥の間の雪見障子の硝子から見える冬晴れの光の中に立つ竹林の緑。
何とも癒される気分である。この不思議な空間の中、その汁はやってきた。
そう、辛み大根のおろし汁である。
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信州味噌と葱が添えられる。汁の器に中を見て驚いた。
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色がピンクがかっている。こっこれは、千曲の”つる忠”の汁と同じ、まさに本物の長野千曲のおしぼり蕎麦だ。
汁を口に含む。鮮烈な辛みが口の中を駆け抜ける。と、あとから何とも形容しがたい甘みを感じる。
蕎麦が待ち遠しい。辛み汁は絞り立てが命であり、時間とともに辛みが抜けてしまう。
蕎麦がきた。
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細打ちの香りが高い蕎麦である。鼻を近づけ香りを楽しむ。
まずは蕎麦のみを手繰る。蕎麦の香りが立っている。見事な蕎麦だ。
おしぼり蕎麦は辛み大根の絞り汁に味噌を溶く。
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この味噌の案配が要である。少ないと辛みのみがたってしまい、味噌を入れすぎれば甘くなり過ぎ、ぼやけた頼りない味になってしまう。少しずつ味を確認しながら味噌を溶く。
そして味噌の案配が決まったとき、その汁は蕎麦を最大限に引き立て、他のどの汁にも引き出せない領域にまで到達するのである。
蕎麦を汁につけ手繰る。鮮烈な辛みが蕎麦の香りを引き立て、味噌の甘みが甘美な余韻を残す。
これだ!これが食べたかったんだ!
おしぼり蕎麦は汁に味噌を溶くが、味噌でも甘みが足らない場合、蒸籠のつけ汁を少量加える。(店に寄っては鰹節が添えられる場合もある)この店でもつけ汁が添えられた。
自分の好みでは使用しないが、今回、初めての店であり、つけ汁の味を確かめるために空になった蕎麦湯の器に入れ舐めてみた。
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香りは強すぎず、酸味を感じるも丸みがあり、コクの加減もよく甘みものこらず、塩加減もよく汁をそのままでも飲める。そしてキリッと締まった凛とした汁であった。
もっとこうだったら好みなんだが。。。。といった言葉が出ない。
蕎麦をこのつけ汁につけすする。見事なバランスである。蕎麦の太さ、香りと汁の強さ加減がバランスしている。
いま、自分の中で蕎麦の基準が明らかに変わった。いまここに一番好みな蕎麦が現れたのだ。
蕎麦をおしぼり汁に戻し、一気に手繰る。うまい。時間が許せば同じものをお替わりしたいぐらいだ。
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蕎麦湯が今度はポットで出てきた。
最初に出た蕎麦湯と同じ濃さで後味はサッパリとした、口直しに丁度良い蕎麦湯である。
蕎麦、汁、空間、すべてにわたって満足した。
ふと障子を僅かに開けてみる。
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冬晴れの凛とした透明な日差しが眩しかった。
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