手作りの器で食す粗挽き生粉蕎麦 甲府の蕎麦 専心庵 [山梨の蕎麦]
今日の出張は山梨韮崎、客先へ入る前に蕎麦探求。
今回は韮崎ICの一つ手前の昭和ICで降りる。
目的地は専心庵。MAPFANの地図をたよりに進む、とある夢庵のある信号で住宅地にはいる指示。
が、夢庵が無い?しばらく周辺を探すが、どうやらガストに変わってたらしい。
この信号を住宅地のほうに入る。
住宅地といっても、古い区画がそのままの路地である。一通ではないが、対向車きたらすれ違うことは不可能だ。
場所柄、武田の時代からの区画がそのままのこっているのだろうか?
住宅地を進むと店はあったが、時間が早く駐車場も開いていない。
路駐する場所もないので周辺を探索・・・・・・・が、路地が迷路だ!狭いし入り組んで、袋小路で・・・・とりあえず時間は潰した。
開店と同時に店に入る。
お茶ともう一皿が出される。
湯のみや皿などの陶器は店主の作だそうだ。いや、いい器だ。手になじむ。
これは、蕎麦の蒸饅頭のような餅のような?蒸したものだが、饅頭にしてはムッチリとして餅っぽいし、餅にしてはフンワリとした感触。不思議だ、とりあえず食す。柔らかな蕎麦の香りとほのかな甘みが気分を和ませる。
さて、蕎麦は何にするか?
十割は限定粗挽生粉(1050円)と生粉(840円)があり、他には田舎の二八(840円)がある。
この十割の二種類は悩ましい。と、横を見ればセットメニュー。
限定粗挽生粉と生粉の二色盛だ。(1260円)蕎麦豆腐も付いてくる。
確定した、これをください。
蕎麦豆腐の添え物を尋ねられる”山葵ですか?黒蜜ですか?きな粉ですか?”
”・・・・・?お豆腐ですよね?”と尋ね返すと
ええ、葛を合わせてありますので。”とのこと。どうやらデザートだったようだ。
店内は座敷で、入り口で靴を脱ぐ。そして禁煙、これは嬉しい。
蕎麦がきた。まず粗挽きからとのこと。
いや、見るからに粗挽きである。
蕎麦のみをすする。細いが粗挽きのためか引っかかる。
咀嚼すると粗挽きらしい野趣溢れた風味を感じる。噛み応えも特徴的な食感だ。
つぶつぶがよくわかる。
汁を確認する。割と甘めだが、後口はよい。酸味と塩気は強く押してこない。ダシの香りも程ほどで蕎麦の邪魔にはならない。輪郭はソフトフォーカスな柔らかな汁である。
粗挽きを汁に付けて啜る。
?!!蕎麦が強い!なんという強い蕎麦なのだろう。
細打ちゆえ、汁を少なめに漬けたが完全に負けてしまった。
この粗挽き、汁を用いて食すのではなく、むしろ粗塩を降って食したいと思わせるほどの強さであった。
粗挽きを堪能していく、粗挽き蕎麦が無くなる直前に生粉蕎麦が出てきた。
食べ終わるタイミングで出してくるとは心憎い気配りである。
二色盛のセットを頼むと、二色が盛られた状態で出してくる店が多い中、一品づつ出してくるとは素晴らしい気遣いである。手間もかかる事をあえてやるのは、美味い蕎麦を味わって頂こうという店の心意気であろうし、作り手の真摯な姿勢を感じる。味わうほうも気を抜けない。
こちらは粗挽きに比べ穏やかで、香りも高い。噛み応えもモッチリ心地よく、ボソボソ感は微塵も無い。
そして喉越しも素晴らしい。
が、やはり一気に喉の奥に送ってしまうのは勿体無い。咀嚼して蕎麦の甘みを味わう。
口直しに山葵を舐めながら食べ進む。
山葵の香りも申し分ない。鮮烈な刺激と清涼な香りが体を突き抜ける。
蕎麦湯が来た。
蕎麦湯?蕎麦粥では?というぐらいドロドロで粒粒も見える。
粗挽き蕎麦湯?を汁に入れてみると、
蕎麦湯を入れているというより山掛けの芋を注いでいるみたいな感じである。
やっぱり山掛けみたいだ。
飲むと蕎麦の甘みがしっかりと出ている。
蕎麦湯だけで注いで見る。
蕎麦湯だけでも甘く、モッタリとして、香りもあり美味しい。
蕎麦豆腐が出てきた。
黒蜜にきな粉だ。甘党には嬉しい限りである。
葛の食感と蕎麦の香りがなんとも良い。黒蜜ときな粉の相性も文句無く美味しい。
(そういえば黒蜜ときな粉といえば、このあたりじゃ信玄餅があったが)
今週は素晴らしい週であった。満足いく蕎麦を二度も味わえたのだから。
埼玉深谷の遊歩、そして山梨甲府の専心庵。いずれも必ずや再訪をと心に誓った。
今度は三色盛(蕎麦づくし 1890円)をオーダーしようと心に誓い店を後にした。